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日々の制作、素材との対話。工房から生まれる物語。

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なぜ一点物にこだわるのか?|オーダー家具・店舗什器という選択肢
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2026.3.31

なぜ一点物にこだわるのか?|オーダー家具・店舗什器という選択肢

家具やインテリアを選ぶとき、「なんとなくしっくりこない」と感じたことはないでしょうか?・サイズは合っているのに違和感がある、そもそも空間を無駄にしないピッタリの物が見つからない。・デザインは良いのに空間に馴染まない。・既製品で揃えたはずなのに、どこか物足りなさを感じる。そんな経験をしたことがある方も多いと思います。私自身も同じように感じていた一人でした。既製品の家具は完成されていて便利ですが、その一方で「自分の空間に本当に合っているのか」と考えるとどこか妥協して選んでいる感覚がありました。サイズ、素材感、雰囲気。そのすべてがぴったり合うものは意外と少なく、「もう少しこうだったらいいのに」と思うことが何度もありました。そうした違和感がきっかけでもあり、自分の手で家具を作るようになりました。最初は試行錯誤の連続でしたが、素材に触れ、加工し、形にし、その空間に置く。その空間に合うように作ったのだからピッタリです。特に鉄と木を組み合わせた家具は、シンプルでありながら存在感があります。溶接によって生まれる無骨な表情と、木の温かみ。そのバランスによって、空間にしっかりとした軸が生まれます。既製品にはない、少しラフ飾りすぎない、それでいて力強い雰囲気は、一点物だからこそ出せるものだと思っています。一点物の家具や店舗什器には、「その場所のために作られる」という価値があります。例えば店舗であれば、コンセプトや動線、使い方に合わせて設計することで、ただの家具ではなく“空間の一部”として機能します。見た目だけでなく、使いやすさや耐久性も含めて、その場所に最適な形にすることができます。また、個人の方であれば、自宅の雰囲気やライフスタイルに合わせた家具も作ることができます。既製品では合わなかったサイズや、探しても見つからなかったデザインも、オーダーであれば実現できます。結果として、長く使えるものになり、時間とともに味わいも増していきます。もちろん、オーダー家具や店舗什器には「ハードルが高い」というイメージもあると思います。価格や納期、どのように依頼すればいいのか分からない、といった不安もあるかもしれません。ですが実際には、具体的なデザインが決まっていなくても問題ありません。「こんな雰囲気が好き」「こういう使い方をしたい」といったイメージからでも、一緒に形にしていくことができます。打ち合わせを重ねながら、サイズや仕様を調整し、その空間に合った最適な形を探していきます。私が一点物にこだわる理由は、単にオリジナルだからではありません。使う人や場所にとって、本当に意味のあり長く使っていただけるものを作りたいと考えているからです。量産では難しい細かな調整や、素材の表情を活かした仕上げ。オーダー時に、なんとなくで、サイズもデザインも適当でいいよ と言うのであれば既製品を購入いただいた方が格段に安く購入できます。オーダーメイド の価値をしっかりと意識していただいてこそ当ブランドの価値が活きます。家具や什器は、日常の中で長く使い続けるものです。だからこそ、その空間に合ったものを選ぶことで、過ごし方や居心地も大きく変わります。なんとなく選んだものではなく、しっかりと考えて選んだものは、時間が経っても満足感が続きます。もし今、家具や店舗什器選びで迷っているのであれば、「オーダーする」という選択肢も一度考えてみてください。既製品では得られないフィット感や、空間との一体感を感じられるはずです。オーダーでの家具製作や店舗什器のご相談も承っております。サイズやデザインが決まっていない段階でも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。

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【TIG溶接と半自動溶接、何が違う?】 アイアン家具職人が教える使い分けの基本
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2026.3.24

【TIG溶接と半自動溶接、何が違う?】 アイアン家具職人が教える使い分けの基本

アイアン(鉄)と無垢材の組み合わせ、そのコントラストには不思議な魅力がありますよね。 今回は、私たちの工房の裏側――家具の【骨組み】を作る非常に重要な工程、【溶接】についてお話しします。初心者の方にも分かりやすく、私たちがなぜ「2つの溶接」を使い分けているのか、そのこだわりを覗いてみてください。鉄と木を繋ぐ魔法。仕上がりの差を決める「2つの溶接」の秘密アイアン家具の最大の魅力は、スリムな見た目からは想像できないほどの「頑丈さ」です。その強さを支えているのが、鉄と鉄を熱で溶かして一体化させる「溶接」という技術。実は、作る製品のデザインや用途によって、私たちは2種類の溶接機を使い分けています。1. パワフルでタフな「半自動溶接」まずご紹介するのは、火花を勢いよく散らしながら進む、力強い「半自動溶接」です。どんな特徴?:専用のワイヤーが自動で供給され、一気に、そして深く鉄を溶かし込みます。ここがオーダーの鍵!:非常に高い強度が出るため、大きなダイニングテーブルの脚や、重い本を並べる大きなシェルフなど、「耐久性」が求められる家具に最適です。見た目の味:溶接した跡(ビード)が少し盛り上がり、無骨でインダストリアルな「カッコよさ」が生まれます。あえてこの跡を残すことで、鉄の力強さを表現することもあります。2. 美しさを極める「TIG(ティグ)溶接」対してこちらは、火花がほとんど飛ばず、静かな光の中で進む繊細な「TIG溶接」です。どんな特徴?:両手を使って一滴ずつ金属を溶かし込んでいく、まさに「刺繍」のような手仕事。ここがオーダーの鍵!:とにかく仕上がりが綺麗!           精密な作業ができるため、取っ手や小物のデザイン、目に見える細かな部分に採用します。見た目の味:波紋のような美しい跡が残ります。      表面を削ってフラットに仕上げる際も跡が残りにくいため、洗練された都会的なデザインの家具にぴったりです。なぜ、手間をかけて使い分けるのか?それは、お客様がその家具と過ごす「未来」を想像しているからです。「家族で囲むテーブルだから、びくともしない安心感が欲しい」 「お気に入りの雑貨を飾る棚だから、接合部までジュエリーのように綺麗であってほしい」オーダーメイド家具の良さは、こうした細かな要望を溶接の「手法」から選べることにあります。既製品ではなかなか見ることのできない、鉄の表情や職人のこだわりがそこには詰まっています。あなたの「こだわり」を形にしませんか?鉄の力強さと、木の優しさ。 あなたが思い描く理想のインテリアには、どちらの溶接が似合うでしょうか?「こんな雰囲気の部屋にしたい」「このサイズの棚が欲しい」 そんなざっくりとしたイメージだけで大丈夫です。鐡彩が最適な技術を選び、世界にひとつだけの家具をお作りします。まずは、あなたのこだわりをぜひ聞かせてください。

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作品制作で活躍している道具達 【ハンマー編】
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2026.3.11

作品制作で活躍している道具達 【ハンマー編】

今回は鐡彩のアクセサリーやアイアン製品制作に使われているハンマーの一部をご紹介いたします。アクセサリー作りというと、細かい工具を使ってひたすら静かに作業しているイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが実際の制作では、ハンマーで金属を叩く作業がとても重要になります。金属は叩くことで形が変わり、少しずつ思い描いた形に近づいていきます。例えば、丸い棒状の金属を叩けば少しずつ伸びて細くなったり、板状の部分を叩けば平らに整えることができます。また、ハンマーの面の形によっては、金属の表面に独特の模様や質感をつけることもできます。アクセサリーの表情や雰囲気は、この「叩く」という作業によって生まれる部分がとても大きいです。そのため、アクセサリー制作では用途に応じていくつかのハンマーを使い分けています。重さや形が少し違うだけでも、叩いたときの金属の変形の仕方や仕上がりの質感が変わります。丸みのある面を持つハンマーは金属を伸ばしたり、槌目模様をつけたりする作業に使い、平らな面のハンマーは表面を均一に整えるときに使います。また、先端が細く尖っているハンマーは細かな部分の調整や模様をつけるときに活躍します。写真にあるのは、普段アクセサリー制作で使っている実物です。中古のものを購入し、使用したい形に加工したりすることもあります。形や大きさ、重さがそれぞれ少しずつ違い、作業内容によって使い分けています。中には長く使い続けているものもあり、叩いてきた跡がそのまま道具の表情になっています。ブランドコンセプトにもあるように、道具も共に育っていきます。見た目はとてもシンプルな道具ですが、アクセサリーの形や質感を決める大切な存在です。金属は、叩けば叩くほど少しずつ性質が変わり、思い通りに形を作るには感覚や経験も必要になります。どのくらいの強さで叩くのか、どの角度で当てるのか、どのハンマーを使うのか。そうした小さな判断の積み重ねが、最終的な仕上がりを大きく左右します。ひとつひとつ叩きながら、金属に少しずつ形と表情を与えていく。シンプルな作業ですが、その繰り返しの中からアクセサリーは生まれていきます。普段は完成したアクセサリーだけを見ることが多いと思いますが、その裏側ではこのような道具と作業があり、少しずつ形が作られています。これから作品を見るときに、そんな制作の風景を少し思い浮かべてもらえたら嬉しいです。

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素材「ステンレス」についてのご紹介
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2026.2.20

素材「ステンレス」についてのご紹介

アクセサリー素材としての特徴とメリット・デメリットについての話当ブランドでアクセサリー素材として使用されるSUS304(ステンレス304)今回は、SUS304の特徴とメリット・デメリット、そして気になる「金属アレルギー」についても解説します。■ SUS304とは?SUS304は、JIS規格で定められたオーステナイト系ステンレス鋼です。主な成分は:• 鉄(Fe)• クロム(約18%)• ニッケル(約8%)そのため「18-8ステンレス」とも呼ばれます。キッチン用品や医療機器、建築金物などにも使われる非常に信頼性の高い素材です。⸻■ アクセサリー素材としてのメリット① 錆びにくいクロムが表面に「不動態皮膜」を作ることで、非常に高い耐食性を持ちます。汗や水に強いため、日常使いに向いています。⸻② 変色しにくいシルバーのように黒くなりにくく、真鍮のように緑青も出ません。「長く綺麗な状態を保ちやすい」これが大きな魅力です。⸻③ 強度が高いSUS304は硬く、変形しにくい素材です。よって壊れにくく長くご愛用いただくことができます。溶接や鍛造を活かした無骨なデザインには相性が良い素材。薄くしても強度が出せるため、シャープなデザインが可能です。⸻④ 比較的アレルギーが出にくいステンレスは金属アレルギーが出にくい素材として知られています。理由は:• 表面の不動態皮膜により金属イオンが溶け出しにくい• 腐食しにくいため汗に強いそのため場合によっては「サージカルステンレス」と呼ばれることもあります。※ただし注意点あり(後述)⸻■ デメリット① ニッケルを含むSUS304には約8%のニッケルが含まれています。ニッケルアレルギーの方は反応が出る可能性があります。※体質による個人差が非常に大きい⸻② 加工がとても難しい硬い素材なので:• 切削が大変• 成形時にガスバーナー(3000°)を使う場面がある• 溶接に技術と経験が必要上記の理由から、ちょっとした一室、設備で容易に作れるものではありません。製作者側にとって、手間がかかる素材でもあり、その労力が価格に反映されています。⸻③ 傷はつく錆びにくい・硬い=無敵ではありません。使用に伴い細かな傷は入ります。ただし、これは味として楽しめるポイントでもあります。⸻■ 金属アレルギーについてここは誤解が多い部分。◎ ステンレス=絶対アレルギーが出ないではありません。アレルギーの主な原因は:• ニッケル• コバルト• クロムSUS304はニッケルを含みます。ただし、✔ 金属イオンが溶け出しにくい✔ 腐食しにくい✔ 表面が安定しているそのため、比較的トラブルが少ない素材と言われています。⸻■ こんな方は注意• 強いニッケルアレルギーがある• 汗をかきやすい• 傷がついたまま長時間着用する心配な方は、短時間の試着から始めることをおすすめします。⸻■ まとめSUS304は✔ 錆びにくい✔ 強い✔ 変色しにくい✔ 比較的アレルギーが出にくい日常使いのアクセサリーに非常に向いている素材です。ここまで読んでいただきましてありがとうございます。次回も職人視点の日々、ブランド、作品について等のお話をしていきますのでよろしくお願いいたします。最後に当ブランドの方向性は貴金属を用いた煌びやかなジュエリーではなく、あくまで鉄工の延長線上から産まれた装身具であり、無骨でありつつも素材本来の色や輝きで身につけていただける方の日常に彩りを与える、というのがコンセプトです。そのコンセプトを落とし込んだ作品を楽しんでいただけたら嬉しく思います。

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素材「真鍮(しんちゅう)」についてのご紹介
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2026.2.16

素材「真鍮(しんちゅう)」についてのご紹介

いつもご覧いただきありがとうございます。今日は、当ブランドで大切にしている素材のお話です。真鍮は知れば知るほど愛着がわく、とっても面白い金属なんです。■ 日々表情が変わり育っていく?真鍮のアクセサリーは、私たちと一緒に生きています。最初は金のようにのゴールドですが、毎日身につけていると、空気や水分に触れて酸化し、少しずつ落ち着いた色に変わっていきます。この「燻み」こそが真鍮の良さかと思います。新品には出せない、ヴィンテージのような味わいが自然と出てくるんです。「あ、いい色になってきたな」と気づく瞬間は、なんだか嬉しいものです。■ リングの「継ぎ目」商品を身につけ経年変化していくと、リングの継ぎ目にうっすらと線や色の違いが見えることがあります。「これって傷?表面の剥がれ?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。これは「ロウ付け」といって、金属同士を別の金属(銀)で溶接している証拠です。違う金属を溶かし込んで溶接しているため、時間が経つにつれて色の変化に差が現れ、継ぎ目が浮き出てきてしまいます。強度に問題はありませんので手作りならではの「味」として楽しんでいただけたらと思います。■日々のお手入れお手入れと聞くと難しそうですが、真鍮はタフな素材です。基本は 「使い終わったらシルバー磨きクロスで拭く」 黒ずみが気になったり少し輝きを戻したくなったら、金属磨き(ピカール等)で磨けば輝きが戻ります。※傷、購入時の輝きは専用の道具で研磨しているため、購入時のようにはなりません。 • カジュアルな服装には、育てた「マットな質感」 • ドレスアップする日は、磨いて「輝く質感」そんな風に、その日の気分で表情を変えられるのも真鍮のいいところ。ぜひ、あなただけの色に育ててみてくださいね。

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リング・バングルサイズの測り方
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2026.2.9

リング・バングルサイズの測り方

鐵彩(TESSAI)のアクセサリーは、お客様一人ひとりのサイズに合わせて制作することもできます。 毎日身につけるものだからこそ、ジャストサイズで快適に楽しんでいただきたい。 ご注文前に、ご自身で簡単にできるサイズの測り方をご紹介します。リングサイズの測り方ECサイトなどで安価で購入することができますので、リングゲージを買うのが最も安心ですが下記の方法にて簡易的に計測することも可能です。1. 糸で指周りを測る伸縮性のない糸や紙を、指の最も太い部分(第二関節など)に巻き付けます。 重なった部分にペンで印を付け、その長さを定規で測ってください。POINT 個人差はありますが、むくみ等で朝と夕方の指の太さが多少変わることがあります。可能であれば朝夕で計測することをお勧めいたします。幅広のリングの場合は、少しきつく感じる場合があるため、余裕を持って測るか、少し大きめを選ぶのが無難です。2. 手持ちの指輪で測る普段お使いの着け心地の良い指輪をお持ちの場合は、その指輪の内径(内側の直径)を定規で測ってください。 下記のリングサイズ表と照らし合わせて、最も近い号数をお選びください。参考 リングサイズ表(内目)サイズ内径 (mm)内周 (mm)7号15.047.19号15.749.211号16.451.313号17.053.415号17.755.517号18.457.619号19.059.721号19.761.8バングルサイズの測り方手首の骨が出っ張っている部分(尺骨茎状突起)のすぐ下、手首の一番細い部分をメジャーで一周測ってください。 メジャーがない場合は、紐や紙を巻いて印を付け、定規で長さを測ります。締め付けすぎず、肌にフィットする程度で測るのがポイントです。サイズ目安Sサイズ 手首周り 約13cm 〜 15cm   (女性向け)Mサイズ 手首周り 約15.5cm 〜 16.5cm (一般的な男性・余裕を持ちたい女性)Lサイズ 手首周り 約17cm 〜 18.5cm (手首が太めの男性)※ バングルはスリット(切れ込み)部分を開閉することで、ある程度のサイズ調整が可能です。 購入時は、おおよその形に仕上がっているためご自身に合うように調整してください。調整する時は一気に力を加えると折れてしまうことがありますので、少しずつ慎重にお願いいたします。サイズについて不安な方へ計測方法が合っているか不安な場合や、中間サイズで迷われている場合は、ご注文前にお気軽にご相談ください。

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